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会議を1時間録って、文字起こしのページに落としたら弾かれた。あるいは、メールに添付できなかった。——この壁に当たるかどうかは、じつは録音ボタンを押した時点でもう決まっています。
6通りで作って量った結果【2026年11月2日・当サイト実測】
同じ長さ(きっかり1時間)の音声を、録音アプリでよく使われる設定で作り分けて、できたファイルのバイト数をそのまま並べます。
| 1時間をこの設定で録ると | 重さ(実測) |
|---|---|
| WAV 44.1kHz ステレオ 16bit(圧縮なし) | 605.6MB 635,040,078バイト |
| MP3 128kbps ステレオ | 54.9MB 57,601,088バイト |
| M4A(AAC) 96kbps ステレオ | 41.9MB 43,966,146バイト |
| MP3 64kbps モノラル | 27.5MB 28,800,566バイト |
| M4A(AAC) 32kbps モノラル | 14.6MB 15,258,741バイト |
| MP3 32kbps モノラル(22.05kHz) | 13.7MB 14,400,488バイト |
いちばん重い録り方といちばん軽い録り方で、44倍。長さはどれも同じ1時間です。64kbpsモノラルの27.5MBが、25MBの線をわずかに超えているのが、この表でいちばん効く場所でした。「だいぶ軽くしたのに、まだ弾かれる」が起きるのはこのあたりです。
仕組みは単純で、音声の重さは「1秒あたりの量 × 秒数」。128kbpsなら 128 × 3,600 ÷ 8 = 57,600キロバイトで、実測は57,601,088バイト。計算どおりでした。モノラルにすると、だいたい半分になります。(なお計算では57.6MBなのに表示が54.9MBなのは、パソコンが1MBを1,024キロバイトで数えているからです。サービス側の「25MBまで」がどちらの数え方かは画面に書いていないことが多いので、ぎりぎりを狙わないほうが安全です)
いま重すぎるファイルを通す、3つの道
1. 時間の上限が無い口に入れる。Klangのフリープランは、公式の料金ページに「フリープランは文字起こし無制限・クレジットカード不要」「どのプランも文字起こしの時間に上限はありません」と明記されています(jp.klang.ai の料金ページ・2026年11月2日に当サイトが確認)。音声・動画ファイルのアップロードもフリーの範囲です。ただし「時間に上限が無い」と「ファイル1つの大きさに上限が無い」は別の話で、サイズ側の上限は同じページに記載が見つけられませんでした。ほかのツールの無料枠は無料枠を公式ページで数え直した記事にあります。
2. 1本のまま軽くする。当サイトのパソコン(Windows 11)で、1時間のMP3(128kbpsステレオ・54.9MB)を作り直したところ、64kbpsモノラルへ21.5秒で27.5MB、32kbpsモノラルへ15.0秒で13.7MBになりました。長さはそのままで、1分もかかりません。
3. 分ける。10分ずつに切るのは一瞬(当サイトの実測で1.1秒)ですが、切る位置を間違えると文字起こしの精度が落ちます。だから3番目です。手順と実測は「ファイルが大きすぎます」で止まったときの記事へ。
次の1時間から、重さで困らないようにする
ここまでは「録ってしまったあと」の話です。毎週その作業をするなら、録る側を変えるほうが早い。スマホの録音アプリは保存形式を選べないものが多い一方、録音形式(MP3のビットレート・モノラル)を自分で選べる機械なら、1時間でも上の表の下2行、つまり14MB前後で収まります。
買う前に、販売ページで「MP3」「モノラル」「ビットレートの選択」の記載があるかを見てください。同じICレコーダーでも、高音質固定のものは1時間でそれなりの重さになります。文字起こしに通すだけなら、音質を上げる意味はほとんどありません。ICレコーダーの音声を文字にする手順は無料でやる方法の記事にあります。
▼録音形式を選べる機械を探す
「25MBまで」は、どこから来た数字か
出どころの1つは、多くのサービスが使っているOpenAIの文字起こしAPIの仕様です。公式ドキュメントにこう書かれています(2026年11月2日に当サイトが取得して確認)。
「The Transcriptions API accepts files up to 25 MB. For larger recordings, use a compressed audio format or split the file into chunks of 25 MB or less.(25MBまで受け付けます。大きな録音は、圧縮した形式を使うか、25MB以下に分割してください)」
公式も「圧縮」を先に、「分割」を後に書いています。上の3つの道の順番は、ここに合わせました。ただし、あなたが使っている画面の上限がこれと同じとは限りません。数字は画面の表示で確かめてください。
この壁に当たる人は少数派ではありません。AI文字起こしの「Klang」が公開した日本の利用データ(Klang AI AB・自社調べ。2026年10月26日発表の原文を当サイトが2026年11月2日に確認)では、2026年9月9日〜10月22日の文字起こし8,037件のうち、時間でみて69.8%が1時間以上の録音、件数の約84%が「録音済みファイルのアップロード」、録音の長さの中央値は41分でした。あとからファイルを上げる使い方が中心で、その録音は1時間前後。上限の表示と、ふだん録っている長さが、ちょうど擦れ合う位置にあります。
この記事で確認していないこと
- 軽くしたときに、文字起こしの精度がどれだけ落ちるか。当サイトは重さと所要時間だけを量りました
- 各サービスのファイルサイズの上限。25MBはOpenAIの文字起こしAPIの公式仕様で、あなたが使う画面の数字とは別です
- 個々のICレコーダーの対応形式・録音時間。機種ごとに違うので、販売ページの記載を見てください
- 試しの音について。量るために作ったのはピンクノイズ(ざーっという音)で、人の声ではありません。ビットレートを固定した録音では重さは中身ではなく設定で決まりますが、形式によっては数%前後します
最後にひとつ。いま手元の録音ファイルのプロパティを開いて、kbpsの数字を見てください。そこが64より大きいなら、次の1時間は設定を1段下げて録る。それだけで、来週の夜に「大きすぎます」と言われる回数が減ります。
この記事の実測は、2026年11月2日に当サイトのパソコン(Windows 11・ffmpeg 8.1.2)で1時間ぶんの音声を作って量ったものです。OpenAIの記載は公式ドキュメント「Speech to text」を、Klangの料金と無料枠は jp.klang.ai の料金ページを、利用データはKlang AI ABが2026年10月26日に公開した発表の原文を、いずれも2026年11月2日に取得して確認しました。本記事のリンクには広告(PR)が含まれます。